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ソリューション事業 導入事例
南都銀行 事務統括部 事務企画グループ 主任参与 金澤雅宏氏
同部 業務役 藤谷隆史氏
奈良県を中心に、国内136拠点(内奈良県内92拠点)、海外2拠点を展開する。総資産額5兆574億円、預金残高4兆4,935億円、貸出金残高2兆9,028億円。従業員数2,822人。本店奈良市橋本町。創立昭和9年。(平成25年9月末現在)
南都銀行におけるSymManualの導入効果
― 南都銀行におけるSymManualの活用状況を教えてください。
当行では、マニュアル・規定類の「作成・更新」、「検索・閲覧」、および「管理」に、SymManualを活用しています。
「紙」と「オンライン」のどちらのマニュアル・規定類も、SymManualで一元的に作成・更新・管理しています。
SymManualで作成したマニュアル・規定類は、eラーニングシステムとも連携させています。
「オンラインでの検索・閲覧機能」、および「eラーニングとの連携機能」は、SymManual開発元のフィットに依頼し、カスタマイズで追加してもらいました。
SymManualの活用概況
ログイン画面。所属・職責ごとに作成・更新・閲覧の権限をコントロールしている。
更新内容が日時・作業者と共に記録される。旧版を遡って復活させることもできる。
印刷用版下としてそのまま使えるPDFを、ボタン一発で生成できる。
eラーニング教材の作成画面。マニュアル・規定類へのリンクを埋め込むこともできる。
ブログ感覚でマニュアル・規定類を作成・更新できる。端末やパソコンの画面キャプチャも簡単に貼ることができる。
改訂時の新旧対照表もボタン一発で生成できる。
知りたい事項を含むマニュアル・規定類が、串刺し検索で漏れなく見つかる。
eラーニング試験の成績分析画面。試験結果の分析は、教育プログラムや教材の改良にも役立つ。
― そもそも銀行には、どれぐらいの量のマニュアル・規定類があるのですか。
当行の場合、営業店の事務を統括するわれわれ事務統括部だけで、2万ページに及ぶマニュアル・規定類を制定・管理しています。他にも、外為関係なら証券国際部、政府・地方公共団体関係なら公務部と、各部署がそれぞれの主管業務に関わるマニュアル・規定類を制定・管理しています。
お客さまの大切なお金を扱うわれわれ銀行では、各組織のトップからパートタイマーに至るすべての行員が、あらゆる仕事を、「マニュアル・規定にどう書いてあるか」に基づいて遂行することが求められます。あらゆる業務が法律で事細かく規定されており、規定違反が、即、法律違反である場面も無数にあります。
それだけに、マニュアル・規定類を整備・メンテナンスし、必要箇所を即座に参照できる状態にしておくことはきわめて重要です。
― マニュアル・規定類を、どれぐらいの頻度で改訂する必要がありますか。
業務の大綱を定めた要領・要項類については、1年~数年は改訂せずに済む場合がほとんどです。しかし具体的な手順になると、業務によっては、毎月のように変更が重なることもあります。
紙ベースのマニュアル・規定類に関しては、原則として年に2回、前回改訂以降の変更点を反映した最新版を作成することをルールにしています。
特にここ数年は、他の地方銀行と基幹システムの共用化を進めたため、当行の都合によらない事情で基幹システムの動作が変更されることが多くなりました。これに伴い、業務手順の変更が必要になる頻度も以前より増えています。
― SymManualを導入する前は、マニュアル・規定類をどのように作成・更新・管理していましたか。
SymManualを導入する前は、原稿をワープロソフト等で作成し、組版・PDF化から印刷・製本までを印刷会社に外注していました。
PDF化したマニュアル・規定類は、オンラインでも参照できるようにしていました。オンラインで参照するシステムには、15年ほど前に導入した他社製システムを使っていました。
― SymManualを導入する前は、どのような課題がありましたか。
主に5つの課題がありました。
題1.「マニュアル・規定類の必要箇所を、瞬時に探し出せない」
課題2.「改訂作業に膨大な時間と手間がかかる」
課題3.「マニュアル・規定類を改訂するたびに、組版やオンラインへのアップを外注しなければならない」
課題4.「システム自体に多額の費用がかかる」
課題5.「業務知識を習得する時間を、各行員がなかなか確保できない」
― 課題1.「マニュアル・規定類の必要箇所を、瞬時に探し出せない」とは具体的には。
15年ほど前に導入した他社製システムでは、複数のマニュアル・規定類を横断しての検索(=串刺し検索)ができませんでした。PDF化が単なる「紙面の画像化」として行われたために、検索自体が満足にできないマニュアル・規定類もありました。電子ファイルが一元的・体系的に保存されていなかったため、見たいマニュアル・規定類を見つけるのにも苦労することがありました。
― 課題2.「改訂作業に膨大な時間と手間がかかる」とは。
以前は紙のマニュアル・規定類を改訂する際、「関係する部署・係に原稿を依頼」→「原稿を取りまとめ」→「組版を印刷会社に依頼」→「校正」→「印刷・製本を印刷会社に依頼」→「各店に配布、旧版と入れ替え」といった作業が必要でした。このため、どんなに急いでも改訂には1カ月以上必要でした。原稿の執筆にも、取りまとめにも、新旧対照表の作成にも、校正にも、膨大な労力がかかりました。目まぐるしく変わる業務手順や規定に、改訂作業が追いつかなくなることもしばしばでした。
― 課題3.「マニュアル・規定類を改訂するたびに、組版やオンラインへのアップを外注しなければならない」とは。
以前使用していたシステムでは、オンラインにアップするPDFファイルの組版も、印刷会社に外注する必要がありました。オンラインにアップする作業自体も、システム会社に外注する必要がありました。こうした作業のたびに外注費が発生する上、オンラインのマニュアル・規定類でさえ、リアルタイムに改訂できませんでした。
― 課題4.「システム自体に多額の費用がかかる」とは
以前使用していたシステムは、保守・更新にかかる費用も高額でした。
― 課題5.「業務知識を習得する時間を、各行員がなかなか確保できない」とは。
銀行業務に携わる者には、マニュアル・規定類以外にも、学習・習得しなければならない知識が膨大にあります。しかし、各行員が勤務時間に処理しなければならない仕事も膨大であり、業務知識を向上するための時間を、職場で確保させるのは難しい状況です。
業務知識の向上は、必然的に勤務時間外に図らせることになりますが、マニュアルや規定類などを職場から持ち出させるわけにはいきません。
情報セキュリティを確保しながら、職場外での効率的な学習を可能にするeラーニングの導入は、急務になっていました。
― SymManualの導入で、課題がどう解決しましたか。
SymManualを導入したことで、これらの課題の解決が大幅に進みました。マニュアル・規定類を、各担当者がいつでもブログ感覚で追加・更新できるようになり、新旧対照表の作成も、組版も、自動で行えるようになりました。
串刺し検索も可能になり、見たいマニュアル・規定類の見たい箇所を即座に見つけられるようになりました。
システムの保守・更新にかかる費用も、SymManualに切り替えたことで年間700万~800万円削減できました。オンライン化で不要になった印刷・製本費の削減分を加えると、年間1千万円近いコスト削減効果がありました。
eラーニングの体制も整いました。教材にマニュアル・規定類の該当個所へのリンクを埋め込めるので、効率的な学習が可能です。eラーニングテストの結果から、各人の学習・理解状況も把握できるようになりました。テスト結果の分析を、教材や教育プログラムの改良に役立てることもできます。
― 旧システムからSymManualへの移行は、スムーズに完了しましたか。
システムの移行にあたっては、旧システムに登録された2万ページに及ぶマニュアル・規定類をSymManualに移し換える作業を、SymManual開発元のフィットに代行してもらいました。旧システムに登録されたPDFファイルには、単なる「紙面の画像」の状態のものも、多数含まれていました。このため移し換えは非常に手間のかかる作業でしたが、フィットは、立ち上げの段階で必要だった約1万5千ページ以上ものマニュアル・規定類の移し換えを、2年弱で完了してくれました。
操作で迷った時は、フィットに電話すると丁寧に回答してくれました。
― 他に、SymManualについて評価されている点があればお聞かせください。
カスタマイズに柔軟に対応してもらえる点も評価しています。SymManualにほしい機能をフィットに相談すると、どれぐらいの費用で、どのような機能を実現できるかを、積極的に提案してくれます。
― マニュアル・規定類を制定・管理する上で、心がけていることがあれば教えてください。
私見ですが、マニュアル・規定類は「作りすぎないこと」も大切ではないかと考えています。営業店にミスやトラブルがあると、われわれ指導する部署の者は、すぐマニュアル・規定を追加したくなります。そうして無制限にマニュアル・規定を追加していくと、学ぶ側が何をどれから学べばよいのかわからない状態にもなりかねません。できるだけシンプルに、学びやすく使いやすい体系に整えることも心がけながら、マニュアル・規定類の制定・管理にあたっています。
― 最後に、SymManualの今後の活用についてお聞かせください。
SymManualは動画マニュアルの配信にも対応しており、既に動画マニュアルの導入で成果を上げているユーザー企業もあると聞いています。当行も今後は動画マニュアルを活用していきたいので、フィットにはこの面でのサポート・アドバイスも期待します。
貴重なお話をありがとうございました。
取材日:2014年3月/取材:カスタマワイズ
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